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みなさん、こんにちは。今回はフィンランドの教員養成制度について紹介します。教育でとても注目されているフィンランドですが、私は教員養成制度こそ注目されるべきだと思っています。10カ月フィンランドに居ることで、制度について詳しく学ぶことができたので、そのことについて紹介したいと思います。 まず、フィンランドの場合、教師になるには面接を受ける必要があります。大学入学後、面接を受け、その面接に通った学生だけが教員免許を取得できるということになっているのです。そのため、誰でも教職の授業を取れるというわけではなく、面接を通った学生のみが教職に必要な単位を取得していくということになります。面接では、教師になった際に、自分の趣味をどう活かせるかなどの質問が聞かれるそうです。 面接を通過した後、教職のプログラムが始まるわけですが、タンペレ大学の場合は、1年間かけてTeacher Training用のプログラムを行うということになっています。日本の場合は1年生~4年生にかけて必要な単位を取得していく制度ですが、タンペレ大学では、教職に必要なことは1年間でまとめて行うということです。これは、大学ごとに少しシステムが異なっているようで、全てのフィンランドの大学がこのようになっているというわけではありません。 例えば、タンペレ大学で英語の教師になる場合、English Philologyというコースで5年間過ごすことになります。これは、学部3年間と修士2年間が合わさったもので、学生は基本的に修士レベルまで教育を受けることになります。その5年目で、教職用のプログラムを始めます。これは、教職に関連する講義や実習が含まれているもので、タンペレ大学の場合は、計60ECTS単位から成り立っています。(1ECTS単位=27時間) つまり、5年目は、自分の専門の授業に加え、教職のプログラムも履修するということになります。実際、修士論文に取り組みながら、教職プログラムを行っている学生がたくさんいました。 [図1参照] 私は実際に教育実習生と交流する機会を持つことができ、その中で最も印象に残ったことは教育実習の制度でした。表のBasic Teaching Practice, Advanced Teaching Practiceが教育実習に値するものです。Basicは10月~12月、Advancedは2月~4月に行われます。それぞれの実習では9回授業を行い、また授業の見学なども行います。実習生は、2,3人ごとにグループに分けられ、1つのコースを担当します。Basicでは、実習生と教師が授業を担当するため、実習生が授業を行うのは一部です。しかしAdvancedでは、一つのコースを最初から最後まで実習生が担当します。授業の計画はもちろん、最終的に成績をつけるところまで実習生が担当するのです。実習を行う際は、実習前と実習後に担当の教師と授業内容について話し合います。実習後の話し合いでは、授業がどうだったのか細かく確認し、より良くするにはどうすれば良いか考えていきます。常により良い授業を目指す姿勢が見られました。 また、タンペレ大学では、実習生はポートフォリオを作成するということになっています。これは、実習中に使用した教材や指導案、講義のプリントなど全てをファイルにまとめていくというものです。こうすることで自分自身の振り返りになるだけでなく、実際仕事に応募するときに、自分がどこまでできるのかという点を示すことにもつながるそうです。 実習の終盤には、それぞれの実習生が成果を発表する場もありました。実習中に自分が取り組んできたことを一人ずつ示し、互いに学んでいくのです。 私は実際に実習生が担当する一つのコースを成績をつけるところまで見学させてもらいましたが、フィンランドの教育について、教員養成制度について学ぶことが多くありました。学生の英語力は非常に高く、それぞれがとても熱心に取り組んでいる姿が非常に印象的でした。教師や実習生は「教えること」に専念できる環境が整っていました。また実習生たちは、毎回工夫した授業を行っていて、いろいろなアイディアを得ることができました。日本の教員養成制度について、様々な議論がありますが、フィンランドの制度に目を向けてみることで何か得られるものがあるのではないかと思います。 次回はフィンランドの大学生活について紹介します。
by eucircle
| 2012-09-24 11:51
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