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この「顔」、初来日!? 今年も残り1カ月。みなさん師走の折、さまざまさ準備に追われていると思います。それぞれの「2011年」があったと思いますが、自分自身としては今年もあっという間に過ぎた気がします。一段と寒くなって来ているので、体調にはくれぐれも気をつけましょう。 そんな中、遅ればせながら「芸術の秋」と題して京都市美術館で開催されている「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」に行ってきました。とにかく、芸術的センス「ゼロ」の自分でも感じるものがたくさんあるくらいとても良かったです。当日はたくさんの来場者の方が来ていて大盛況でした。そもそも本場のナショナルギャラリーは1937年、銀行家アンドリュー・メロン氏が美術館設立のための基金と、自身の美術コレクションを連邦政府に寄贈したことに始まります。1941年に大理石造の美術館が完成し、1978年には現代美術展示のための新館も完成しています。メロン氏は、財務長官、イギリス大使なども務めましたが、イギリス大使としてロンドンに滞在中ロンドンのナショナルギャラリーを参観し、母国アメリカにも同様の国立美術館をつくりたいとの夢を実現させたものなんです。誰でも入れる美術館を目指しなんと入場無料だとか。その名画たちが今、日本・京都に来ているのです。あなたも、お気に入りの「1枚」を見つけにいきませんか? おいおい、ここはEU関連の記事を書く場所で、ワシントンっておもいっきりアメリカじゃないかとおもわずツッコミを入れた方、安心してください(もちろん、アメリカは現在EUの加盟国ではありません)。実は、ここに出品されている多くの作品がEU圏の国々出身の画家たちによって描かれた作品ばかりなのです。今回の美術展は、主に印象派・ポスト印象派の代表的コレクションを中心に集められていて、会場は4つのブースに区切られ展示されています。今回から、2回に分けて1つ1つ代表的な画家とワシントン・ナショナル・ギャラリーで展示されている作品を取り上げながら、出来るだけ分かりやすく紹介していきたいと思います。 第一章 印象派登場 長い間ヨーロッパにおいて、聖書や歴史的場面を「視覚的」に表現することが絵画の第1目的とされてきました。しかし19世紀に入るとフランスでは森林や田園に行き、そこにある風景を写実的に表現しようとする画家たちが登場しました。なかでも、パリ郊外のフォンテーヌブローの森にあるバルビゾン村に居を移し、そこで本格的に制作した一派を「バルビゾン派」と呼びます。バルビゾン派の代表的な画家、ジャン=バティスト=カミーユ・コロー(「うなぎを獲る人々」)やジュール・ディプレ(「古い樫の木」)などは、産業革命により豊かさを求める人々が集中して相次ぐ市民革命で政治的に混乱していったパリを嫌い、自然のなかに人間本来の居場所を求めました。自然を賛美し、自然との対話や調和をめざした彼らの作品は、現実を理想化せずあるがままに描く「写実主義」を唱えたギュスターヴ・クールベ(「ルー川の洞窟」)の作品とともに、自然の光の表現に関心を寄せた点で印象派の先駆を成したと考えられています。一方、パリでは急速な近代化を受け、新しい時代にふさわしい革新的な絵画表現が模索されるようになります。エドゥアール・マネ(「牡蠣」、「キング・チャールズ・スパニエル」、「オペラ座の仮面舞踏」、「鉄道」、「プラム酒」)は、ヨーロッパの過去の巨匠たちの作品を独自に研究し、彼らの影響を受けつつも、明快な色彩や従来の遠近法にとらわれない平板な空間表現を大胆に追及し、印象派の画家たちに直接的な影響を与えました。私のこのブースでのお気に入りは、マネの「牡蠣」と「オペラ座の仮面舞踏会」でした。特に「オペラ座の仮面舞踏会」には、マネ本人と友人で作曲家のエマニュエル・シャブリエ(ワルツ組曲)が描かれているのですがどこにいるか、ぜひ足を運んで自分の目で確かめて見てください。 第二章 印象派 1874年、パリでクロード・モネ(「揺りかご、カミーユと画家の息子ジョン」、「アルジャントゥイユ」、「日傘の女性、モネ夫人と息子」、「ヴェトゥイユの画家の庭」、「太鼓橋」)、ピエール=オーギュスト・ルノワール(「ポン・ヌフ、パリ」、「モネ夫人とその息子」、「踊り子」、「アンリオ夫人」、「シャトゥーの漕ぎ手たち」、「皿の上の桃」)、カミーユ・ピサロ(「ルーヴシエンヌの花咲く果樹園」、「麦わら帽子をかぶる農家の少女」、「カルーゼル広場、パリ」)らによるグループ展が開かれました。この展覧会を見たある批評家が、そこの出品されたモネの《印象、日の出》のタイトルを引き合いに彼らの作品を酷評したことが、「印象派」という名称の由来となっています。なんでも、印象に残るくらい「ヘタ」ということが由来らしいです。面白いですね。印象派の画家たちは、積極的に屋外で制作し、自然の中できらめく光や、光が刻々と移ろいゆく様を表現しようとしました。そのためできるだけ色を混ぜず、色を細かい筆致で重ねて描く筆触分割の技法や明快な色彩の多様が、印象派の作品に共通する特徴となりました。その背景には、バビルゾン派からの影響だけでなく、チューブ入りの絵具が普及し屋外での制作が以前よりも簡単になったことや、目の前の事物を正確に写し取る技術として写真が発明され、画家たちの関心が写真にはできない絵画ならではの表現へと移っていったことなどが挙げられます。当時の画家たちが、生き残りの道を必死に模索していたことが伺えますね。実は、印象派の画家たちのモティーフは自然だけではありませんでした。彼らが登場した19世紀後半は、産業社会が確立し、セーヌ県知事ジョルジュ=ウジェーヌ・オスマンの都市大改造計画が実行され、パリの街並みが大変貌を遂げた時代でした。印象派の作品では、新しくなった都市の情景や、そこでの近代的生活の一場面、家族や友人などの身近な人々も生き生きと捉えられています。 最後に、本展テーマソングであるアンジェラ・アキさん(ご本人は、ジョージ・ワシントン大学の出身)の「I Have a Dream」がとても会場の雰囲気や絵画たちとマッチしていてすばらしかったです。歌詞も考えさせられるものでした。この記事を書きながらも聴いていたりします。会場では有料で音声ガイダンス機の貸出をしていて、これを活用するとより深く絵画を楽しみつつ、アンジェラ・アキさんの曲に込めた想いやテーマソングをフルで聴くことも出来、とてもお得ですよ(ナビゲーターは、俳優の勝村政信さん)。すてきなグッツもたくさん販売されていて記念にいかがでしょうか? 次回後半は年明けの更新予定です。少し早いですがメリークリスマス&よいお年を!
by eucircle
| 2011-12-09 11:56
| ユウジ (日本)
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